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Jacques Boquay(c1680-1730)(ジャック ボケイ)が1717年にパリで製作したオールドチェロです。
冬目の強い板を4枚接ぎにして作られています。部分的に大きな節があり、それがこのチェロの力強さを印象付けています。しかし一方でアマティ型を基本とした柔らかなアウトラインとf字孔により、気品と優雅さも持ち合わせていると言えます。
裏板は柾目のカエデを使っております。表板とは対照的な穏やかで静かな表情を持っております。
横板はスラブカットのカエデを使っております。かなり高さがあるので、たっぷりとした容積を確保しております。材料は細かな筆で描いたような美しいスラブカットの独特な模様が目を惹きます。
穏やかで温かな表情の材料を使用しており、それがスクロールの彫込による曲線美を強く感じさせてくれます。
動と静、頑強と柔軟が混在したようなこのチェロの音は枯れた力強さとボリュームを持っております。
300年以上経過した生命力を感じるチェロです。