弦楽器 Vivace

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2023年カレンダーのバイオリンについて

2022.12.02

告知
2023年カレンダーのバイオリンについて

Joseph & Antonio Gagliano ca.1780 Napoli

鑑定書 Kenneth Warren & Son,LTD
Body length 354mm
Body Stop 192mm

ナポリのガリアーノ家は17世紀中頃に初代Alessanderに始まり、19世紀末のVincenzoまで、実に五代に渡り続いた製作家系です。このバイオリンは三代目に当たり、次男Josephと三男Antonioの合作による初期のバイオリンです。

2023年カレンダーのバイオリンについて

二人は父Nicolaの元で修行した影響で、初期の作品は父の作風を踏襲したバイオリンを作っていました。
このバイオリンの特徴は、スクロールの背面のセンターラインが、下部にかけて少し右側に曲がり気味になっております。これは同時期のJosephのバイオリンにも認められます。(Four Century of violin making P243、P245)

2023年カレンダーのバイオリンについて

表板材は均一な木目の美しいハーゼ模様のはいったもので、側面から見たアーチは台形型を描き、中くらいの膨らみを持っています。f字孔は幅広いウイング部分が長く突き出しており、力強さを感じます。

2023年カレンダーのバイオリンについて

裏板は虎目の少ない材が使われています。二人の合作によるバイオリンはしばしばデコレーションされたものがありますが、このバイオリンの下部の鯨の髭で埋め込まれデザインされた象眼細工は後年に埋め込まれたのではないかと思われます。

2023年カレンダーのバイオリンについて

美しいゴールデンブラウンのニスがかけられております。音も明るくソリスト向けのバイオリンと言えます。

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