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10月26日から31日の予定でロンドンの4つのオークションに参加しました。
ロンドンは最高気温12℃くらいで日本と比べ少し寒さを感じましたが、それでも例年に比べると暖かく、コートは必要を感じませんでした。
さてオークションですが昨年もそうでしたがこちらが競る予定の楽器が、他のバイオリンディーラーが目をつける楽器とほとんどが重なり、予定落札価格を上回り、かなり競り上がっても中々相手が降りないので値が高くなってしまいます。今回でも例えば小ぶりサイズの1800年代の古いフレンチチェロを何とか落とす予定で臨みましたが、競り上がってしまい、こちらが見積った落札価格を大幅に超えていました。結果的に見積の2倍で落札されました。落札される楽器の傾向は明るめのニスのバイオリンが好まれ落札されて行きます。多くの暗い色のバイオリンは残って落札されません。またチェロ弓は品薄でしたが目を付けていたRichaumeやVigneronのバネの強く状態の良い弓も、予定落札価格の2倍で落札されていました。オークション会社も年に何度も開催しますので、売れない楽器が何度も出品されて会を重ねるごとにそれが増えているようにも思います。良いものがあればみんな一斉に競りますので、まだまだ円安の傾向であるこちら側は、思い切った仕入れをしにくい状況ではあります。市場の価値観も誰が何年に作ったと言う評価額とは別に、市場に少なく出回りにくいなどの品物に対しての価値が急激に上昇しており、逆に言えばそういった数の少ないものに対し求めるお客様が増える傾向があると思われます。
この度の仕入れはバイオリン弓が中心でしたが相変わらず高く取引されていました。
V.Fetique C.Thomassin A.Barbe J.J.Martin.Bazin などのフレンチ弓やJ.Tubbs(gold/ebony)などの良弓を仕入れました。
楽器は1779年製のナポリ派のバイオリンNicola Gaglianoが入荷予定です。今回のオークションではAlessandro,Gennaro Nicolaが2本、あと息子のFerdinandとガリアーノファミリーが揃って5本出品されていました。試弾してみましたが、このバイオリンは明るく豊かな鳴りでした。またビオラは1700年初め頃のボローニャ派の小ぶりのビオラが入荷予定です。395mmですが、柔らかでいろいろな音色が出るビオラです。小柄な方にもビオラの魅力を実感していただけると思います。音楽教室に通う生徒さん向きの1900年頃のフレンチバイオリンの良品もいくつか仕入れることが出来ました。
入荷後ご紹介させていただきます。