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オーディノ家は何代も続く製作家の家系で、このピエールは1893年に生まれ、父のヴィクトルから製作の手ほどきを受けました。
木目の詰まった材料から作られた表板は、バランスの取れたアーチを描き、美しいストラド型の曲線で作られております。立ち上がりは早く芯があり、建築物の柱のようなしっかりとした安定感を感じます。音色はキメの細かいあかるく輝きのある音です。

細部に渡り丁寧な仕事ぶりで、エッジの仕上げなどはシャープで技量の高さが感じられます。1907年.1908年にミルクールで最優秀若手製作者として賞を受賞しているのも納得がいきます。

1913年にはミルクールからパリに父と移住します。第一次世界大戦で負傷するも、家業を手伝いながら仕事を続けると1934年にはパリの一流店の並ぶローマ通りにあるMillant-Derouxに移ります。

1949年にはハーグで,1954年にはリェージュで学位を授与されます。このバイオリンは1952年ですので丁度その頃の作品となります。しかしながらほとんどの仕事の時間を古い楽器の修復に費やしたため、本人のラベルが入った楽器は少ないと言われています。
880,000円 税込み