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Ferdinando Gagliano(1738-1804)はNicola Gagliano(c.1710-1785)の長男として生まれました。作風は父Nicolaからと言うより、直接指導を受けた叔父のGennaro Gagliano(1705-c.1790)の作風を受け継いだと言われております。またNicolaの他の子供たちが共同で製作していた中で、フェルディナンドは彼らとは別で製作していたようです。
ヒルの販売記録によるとこのバイオリンは1904年時点ではニコラ ガリアーノとして販売されるも、元はニコラ ガリアーノの小型のビオラで、それをバイオリンにリメイクされたとの記述があります。その後当時のオーナーからヒルが引取、また別のオーナーに販売された経緯が記録されています。またこのバイオリンのラベルはニコラガリアーノの本物のラベルであると記載されています。
今回最新の鑑定で、息子のフェルディナンド ガリアーノの1775年頃のバイオリンとの鑑定結果となりました。

裏板はフェルディナンドが度々用いる虎杢のないカエデ材を使用しています。表板を開けてみて、バスバーは短くて小さく、大変美しいバスバーがついており、かなり前に交換されたままの状態でした。今回新たに現代のスケールのバスバーに取り変えました。それにより日に日に音の力が増しております。

状態は極めて良く、板厚もしっかりあり、そこから引き出される音は華やかかつ骨太でソリスト向きの音です。
Certificate:Jean-Jacques Rampal 2025
Letter:Andreas Post 2025
W.E.Hill & sons によるアーカイブ