フランスで1860年頃に製作されたチェロで、デラゼイの作風に影響を受けたと思われます。ボディサイズは758mm
H.デラゼイはJ.B.ヴィヨームの弟子として数多くの作品を残しました。ヴィヨーム派のチェロは音の良さに定評がありますが、その流れを汲んだチェロということになります。

なだらかな膨らみのあるアーチをもち、均等な木目が目を惹きます。裏板は虎杢がしっかり入った美しい材料と上品なオレンジレッドのニスを纏っております。どっしりとした板の厚みがあり、芯のある音が楽しめます。
音色は明るく華やかな音で、チューニングすると音程が少し高く感じられます。

バネの強い弓との相性が良く、イタリアのチェロの音とはまた違ったエネルギッシュな魅力を発見できるのではと思います。

アンティークチェロとしての優雅で風格を感じます。端正なアウトラインは見ても楽しめます。表板、横板は年代相応に割れの修理跡が多少ありますが、適切な修理を施しておりますので安心してお使いいただけます。裏板の状態はかなり良いです。
一度この音を経験すると、無性に弾きたくなる魅力的なチェロです。